Echoes

連載mayの山diary

山で過ごす時間の速度は緩やかで、
1日が48時間分くらいあると思う。
さぁ、山を歩こう。

12024.8月〜11月

山との出会い

毎週末山に足を運びたくなる。この病に侵されて10数年。2週間も山に行けない時は、何故か少し焦る。

これ程まで登山にハマるなんて思ってもみなかった。きっかけは友人に誘われたから、というありきたりなもので、はじめは誘われる度に断っていた。ある時、精神的に辛い時期?があり、行ってみてもいいかな、と軽い気持ちで友人の提案に乗った。行き先は霧島連山の中岳。初心者向けの山ではあったが、生憎の雨予報。登山用のレインウェアなど持っているはずもなく、某100円ショップで慌てて購入。登山口に着くまでも、出発してからも雨は止まない。登り始めて僅か数十分、暴風雨となりモノクロと爆音の世界。透明な100円のレインウェアは音と共に派手に破けた。驚く私を他所に、あっという間に友人が手持ちのガイラインをレインウェアの上からぐるぐる巻きにし、私はなんとか雨風を凌げた。その先に進むのは潔く諦め撤退。それが記念すべき初登山。この経験が何故か私を山中毒にさせた。何度も誘ってくれた友人に感謝しかない(その友人は山を辞めてしまったけれど)。ありがとう。

そんな私の(思い出しながら書く)気ままな山diaryの一部を。

8月

8/4-5 晴れ、少し曇 /九州脊梁

いつものhぷん、Pセン、H君3人と大好きな九州脊梁へ。お互いルートを出し合い、水場、テン場、登山口までのアクセス等を考慮。情報収集しながらルートを最終決定したのは3日前。登山口へのアクセスは、度重なる災害でますます困難になるばかりで悲しい。今回はピストンではなく縦走なのが楽しみ。

当日、待ち合わせ場所もスマホの電波が届くかよく分からない。みんなその辺りも分かっている。無事に車を1台デポして登山口へ。

山に足を踏み入れる。あ〜、この山の中をみんなと歩きたかったんだよ。滴り落ち続ける汗も、眩し過ぎる日差しも気持ち良い。落ちていた鳥の羽の模様の美しさ、植物の素晴らしさ、何でもない事を歩きながらさらっと話す。「花鳥風月」って年齢を重ねるにつれて好きになるものらしいよ、もう鳥も気になってきた、歳とったね、とか。何の実とも分からないものを食べてみたり、食べなかったり触ったり。景色を眺めて、行動食を食べて寝転んでみたりね。

予定のテン泊場所は、予想以上の虫の多さで別な場所を探す事に。いつもの沢の水量も少ない中何とか浄水器を使い水をゲット。ほっ。程なく歩いてロケーションも良い場所に寝床を拵える。夕暮れ前各々好みのお酒、コーラで乾杯。Pセンのゴローさんのモノマネ似過ぎ問題。笑い過ぎて一瞬で真夜中に。頭上に広がる満天の星を眺めながら寝る幸せを噛み締める。何時に起きるかなんて誰も決めない。いつもの感じ。

山中で寝る時、必ず夜中に何度か目が覚めるのが不思議。朝まで熟睡出来る人が心底羨ましい。日が昇る30分前にスマホのアラームをセットした自分を少し恨んで、頑張って目を開く私エラい。辺りはガス一面なのを確認して迷わず目を閉じたけれど。しばらくすると瞼に光が感じられ、体を無理やり起こす。友人が夢中で写真を撮っていた。木々の隙間から金色の眩い光が差す。贅沢な光景!こんなに美しい朝は久しぶりで胸が熱くなる。幾度となく思う、やっぱり山は良いよね。

朝ごはんを食べる頃には暑くなり、サングラスが必要な程の日差し。私はいつものカレー飯とスープ。サクッと食べて撤収し、記念の集合写真を。

ここから初めて下りる登山口までは思ったより長かった。2日間通して9割以上が稜線歩きの気持ちが良いルート。紅葉の時期にまた来よう、と。

9月

9/20 晴れ /由布岳

いつか登るだろうと鷹を括っていた由布岳。このままでは登る機会がないかもしれない、と急に思い立ちソロで向かう。

由布院に着いた頃、由布岳の山頂はくっきり見えていた。登山口に辿り着くと山頂にはしっかりと雲が。お鉢巡りのルートに少し不安を感じつつ登り始める。稜線に出てからどうするか決めよう。稜線に出るまで時折麓の町が望める。こういうご褒美が嬉しい。稜線に出るとガスに包まれた。お鉢巡りのルートを眺めると、誰かが鎖場を進んでいる様子がうっすら見える。やっぱり行こう。鎖が濡れて手が滑る。強風の中慎重に。この少しヒリヒリする感じは久しぶり。ガスのお陰で良くも悪くも高度感が分からなかった。無事に西峰に着くと先客が。お互い山頂標識で写真を取り合う。

ここから東峰まではあっという間。のんびりお昼ご飯を食べている間に晴れ渡り始める。麓の町に雲の影が映る様が溜め息が出るほど美しかった!下山後は温泉入って別府で一泊。あの餃子屋さんに三度目の正直。ソロで梯子酒(もしかしたら山よりコチラがメインの可能性)を堪能する為に足早に下りた。

10月

10/18 晴れ後曇り、小雨 /六甲山

バディのYさんが、神戸出張なので合流して六甲山登ろう、と誘ってくれた。やったー!行こう。

芦屋川駅から六甲山最高峰を経由して有馬温泉に抜けるルート。様々なルートがあるので決めるのが悩ましい。スタート地点からゴール地点までゴミ一つ落ちていない。地元の方々に愛されているのが良くわかる。六甲山最高峰の標識と、あのポーズで写真を撮ろうと決めていた。その頃はガス一面だったけれど満足。

案の定、有馬温泉へ下りる頃小雨が。炭酸せんべい、温泉、クラフトビール、ジェラート、松茸昆布を味わう。山椒の木のすりこぎ買えば良かったな。温泉後の着替えをまるっと忘れた事、コロッケ屋さんの営業時間に間に合わなかった事が無念。

電車で気軽に山にアクセス出来て、下山後電車でスタート地点に戻れるなんて(お酒飲めるなんて)良き。

11月

11/24 晴れ /甑岳

今月2度目の霧島連山。前日の飲み会が楽し過ぎた為寝坊。ソロなので行き先も時間もどうとでもなるのが丁度良い。甑岳の火口底。一面キラッキラのススキの中で寝転ぶ。盛りは過ぎた感は否めないけれど、すこぶる天気が良くて気持ち良い。最高!

下山時、至近距離で鳥を見かけた!頰が白くてお腹に黒いネクタイ模様。かわいい、かわいい。後で調べてみた。シジュウカラかな。鳥が気になる今日この頃。双眼鏡欲しいなぁ。単眼鏡、双眼鏡。沼。

12月は何処を歩こう。

テキスト・写真/may

プロフィール

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may あっという間に山の虜。気付けばほぼ毎週末山にいるような。ホームマウンテンは霧島連山。屋久島は通い続けて13回。九州脊梁好き。時々鉱物活動。鹿児島在住。
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