One Day

Day 3820241221 / 曇り

琵琶湖 ラニーニャ現象の発生により降雪の多いシーズンとなるらしい。昨年の同時期と比較すると倍くらいの勢いで積雪量が増している。

今年の冬至は12月21日だった。冬至は一年でもっとも太陽が低い位置にあり、昼が短く、夜が長い日である。そして、夏至から次第に短くなってきた日足が、この日を境に長くなっていく。太陽は新しく生まれ変わり、再び力を取り戻していく。

雪国に暮らしていると、この時期の暗さには独特の味わいを感じる。
12月は天候が悪いことが多く、日中は、たいてい曇っていたり、雪が降ったりしている。しかし、まったく太陽がでていない時でも、雪面の反射によりほんのり明るく感じられる。やがて、逆にすべての光が雪に吸収されるかのような、日没の時間が訪れる。そして、夜の帳が下りると、光を吸収した雪面が微かに明るさを放っているかのような不思議な闇となる。冬の間だけ存在する霊力が支配する暗い世界だ。暗闇というよりも、光が抜き取られたような暗さなのだ。夜明けまでの時間が最も長い冬至の夜には、その暗さの霊力が最大となるらしい。

最も長いよるが終わり、新しい朝がやってくる。そして、もうすぐまっさらに生まれ変わった太陽が姿を現わすことだろう。
それは希望であり、再生であり、祝福である。
同時に、それは弱まっていく暗さを見送る寂寥なのである。

長い夜には、こんな夢想に思考を委ねるのが心地よい。

テキスト・写真/豊嶋秀樹

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