One Day

Day 4820260128 / 曇りときどき晴れ

真狩村 羊蹄山をハイクアップ中、標高1,050m地点あたりで振り返ると、眼下には僕の住む真狩村が見えた。

2026年だ、あけましておめでとうございます。
そう言いながら、この文章を書いている今日は2月1日だ。あっという間に1月は過ぎ去り、当然ながらお正月気分はもうどこにも残っていない。そして僕もいつもの冬と同じように、除雪とスキーという雪まみれの生活を送っている。
羊蹄山の森の中をスキーを履いて歩いていると、自分が社会からずいぶん遠いところにいるような気分になる。騒々しいニュースやSNSに溢れるあれこれのことも、降り積もった雪に音が吸収されるのと同じように、ここでは、しんとして静まりかえっている。
トーベ・ヤンソンのムーミンのシリーズに「ムーミン谷の冬」という作品がある。冬の間は冬眠しているムーミンたちの中で、ムーミントロールだけが目を覚ましてしまう物語だ。冬のムーミン谷は、暗く冷たく静かだ。すべてがじっと身を潜めて眠っているように思えるが、夏の世界とはすっかり別の、冬には冬の世界があり、冬の住人がいるのだった。僕は、この「ムーミン谷の冬」が好きで、真狩村に冬がやってくるとつい読みたくなるのだ。
冬の羊蹄山の、誰もいない森を徘徊していると、ここにも夏とは別の冬の世界があるような気がしてくる。きっと、事実、冬の世界があるんだと思う。そんな妄想に耽りながら、新しい年の新しい冬がこうしてまたやってきたことに嬉しい気持ちになった。

テキスト・写真/豊嶋秀樹

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