Activities

ハッピーハイカーズ法華院ギャザリング
2018

date/2018_07_28,29 2days

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「ハッピーハイカーズ・法華院ギャザリング 2018」を振り返って

2018年7月28・29日の二日間に渡って開催された「ハッピーハイカーズ・法華院 ギャザリング 2018」は、前回と同様に大分くじゅうの法華院温泉山荘様ご協力のもと多くの方々に参加いただき、台風の影響も迫るなかほぼ全プログラムを無事に終えることができました。
当レポートではハッピーハイカーズ発起人である豊嶋秀樹が開催後に今回のイベントを振り返るかたちで語った内容をまとめています。残念ながら天候の影響で参加を断念された方々、そしてまだ参加されていない方にもこのイベントの意図や意味を伝えることができれば良いなと思います。

今回のテーマ「ローカル」について

「どうして“ローカル”なのかという話ですが、それは自分が5年前に九州・福岡に引っ越してきたとこまでさかのぼります。福岡にきたときに、友達がいたり仕事があったりとかじゃなかったので、知っている人はほとんどいませんでした。もちろん山に一緒に行くような友達も。時間を経て少しづつ山登りする知り合いができたり、クライミングジムで仲間ができたりするうちに、みんなそれぞれ山には行っているけれど、特に横で繋がっているわけじゃないっていう状況が見えてきました。 それまでは東京にいたので、やっぱりハイカーズデポのようなお店とか、また山と道がやっていた鎌倉ハイカーズミーティングというイベントであったり、またはSNSで繋がってたりもしてまして、そういうのが好きな人たちはなんとなく繋がってたりしてたと思うんです。

別にみんな友達になって一緒に山に行く必要はないと思いますが、知り合うことにデメリットはないだろうなって気持ちになってきました。そして、それはハイカーだけにとどまらずクライマーも山屋さんも沢屋さんもといった、“山”が好きな人たちがなんとなく繋がる場づくりをやってみてもいいんじゃないかという考えにつながりました。
そして、九州という土地に来て感じたことは、九州はフィールドという意味ですごくいいなということ。でも、こっちで地元の良いところを聞いても、他の地方のあそこの方が、というような反応もよくありました。もちろん、謙遜もあるのだろうけど意外と地元のことを見逃しているのかもしれない。それは、九州だけに限らない話だと思います。「隣の芝は青い」じゃなくて、「ウチの芝は青い」になればいいなって思います。それが、今回の“ローカル”っていうテーマの最初のところです。自分の裏山でどれだけ楽しむことができるのかということからスタートしてみたいと思いました。
だからハッピーハイカーズを始めてみようと思った時点ですでに“ローカル”っていうところを意識してたことになります。

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前回のギャザリングでは九州になじみのない人たちが大勢来られて「九州すごい」って言ってくれたりして、逆輸入的に九州の人たちがその言葉に刺激を受ける、ということもありました。
前回は“UL”をテーマにしてメイントークは土屋さんと北野さんにお願いして、当時では「ULの右端と左端」みたいな構図を意識してお二人にお願いしました。そしてそれは、東と西という構図でもあり、それぞれ地元の人や文化と繋がって、メインフィールドである奥秩父や六甲でどう楽しむかを徹底して追求してこられています。

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そうして自分も普段から日本中を旅していることもあり、2017年は特に、山と道のイベントで一緒に全国各地を転々として、それぞれの地域のことを見聞きすることができました。そして、ひとつの結論として、『日本全国どこもいいな』と思いました。
その経験から全国各地域の方たちに集まってもらって、あえて言うなら“お国自慢”してもらって、『北海道っていいよなあ』とか『六甲山面白そうだな!』って気持ちが生まれてくると同時に、『ちょっと待てよ、ここの裏山には何があるんだ?』という気持ちになってもらえたり、『こことあそこ繋げてみたらどうなるの』とか『冬はどんな感じなんだろう』とか、さらに『海のアクティビティーと一緒にしたら』など、同じエリアで違うアングルやアプローチでやってみると、見慣れた風景が少し違って見えてくると思います。
そこに住む、地元の人だからこそできるやり方で裏山との新しい付き合い方が見えてくる。そういうことのきっかけにもなればいいな、っていうの が“ローカル”というテーマ設定の意義だったんですね。

自分の中での落としどころって言うとおこがましいかもしれないですけど、やっぱり、日本全国どこもいいんだね、自分たちのいる九州いいんだね、地元の裏山いいよね、ということを再発見するきっかけになればいいなと。そして参加される方たちにそういう風に感じてもらえたらいいなと思ってました。

で、終わってみて『“ローカル”っていろんな捉え方がある』なと思いました。
スピーカーのみなさんが、“ローカル”についていろんな角度で話をされていたのが印象的でした。地理的な意味での“ローカル”はもちろん、OWLのジェームスさんみたいに「旅をして現地の人たちとフィーリングが合って、親しみがわいてきて仲間と共感できたらそれが“ローカル”」という視点もおもしろかった。山と道の夏目さんは、「ハイク」「ライフ」「コミュニティー」をめぐるの旅の経験から、より引いた目線で話してくれたし、DILLの山戸ユカさんは仕事と遊びを一緒にできる八ヶ岳というフィールドでどう楽しむかを実践されてる。

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ローカル・プレゼンテーションでは、スピーカーの方々どうしですごく刺激を受け合っていたように思います。それぞれのローカルが出会って『何か新しい気持ちの良い関係ができてくるのかな』ということも再確認できました。
そうしたメイントークやプレゼンテーションの反応として、一般の参加者の方からは、『日常に山のある生活をしようと思った』、『好きな山の近くに住もうと思った』、『移住しようと思った』といった様々な声がありました。

自身のことを考えると、僕は同じところをリピートする派で、するとちょっとしたコミュニティの仲間に入れてもらったり。自分にとってのローカルみたいな場所が点在してるっていう雰囲気のライフスタイルの中で、自分はもっといろんなとこ、例えば、世界中を回ってみたいというのが目的じゃなくて、何度も行っているうちに、ある場所が人間関係も含めて身近になってくるっていうのが嬉しくて、だからうろうろしてるのかなと思います。もちろん九州、福岡のこともさらにどんどん入っていきたい気持ちもありますね。」

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前回との違いについて

「今回は、前回とは季節も違ったし、台風のことがあったので、直接的な比較が難しいんですけど、前回はすごく晴れたけどその分夜は寒かったりもして、そして今回は日差しは強いけれど日陰に入ったら涼しい。開会式ではとてもピースフルな雰囲気で、参加者の方の中にはすでに『なんていいイベントなんだ』と話されている方もいたと聞きました。

参加者同士の雰囲気でいうと、前回よりもすでにお互い顔見知りだという感じが増えたと思います。それはハッピーハイカーズを始めた理由でもあったので嬉しいことですよね。

準備の過程という面では、前回はもちろん手探りのことが多くイベント開催に慣れていないスタッフには実際に想像できないところがあったと思います。そして今回は、実質十ヶ月の準備期間のなかで、非常にスムーズだったのではないかと思います。これは僕たちスタッフの経験値が上がったっていうことの賜物でしょう(笑)。」

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台風の話

「これは一応報告的に言っておきますと、1日目は全プログラム完了して、2日目はブースに関しては撤収してもらいました。ローカル・プレゼンテーションの時間を少し短縮してもらいました。最後にクロストークを1時間予定していたのですけど、それは割愛させてもらいました。それでも予定していたプログラムの最低限ここまでは、と思ったところまでは行き着いた形にはなりました。

ただし、台風に対して安全面という意味で、下山するしないの最終判断は参加者の皆さんに委ねるしかなかったので、それは前の日の段階から各自判断してくださいってアナウンスしていました。仕方のないことですが1日目の夕方に帰った人もかなりいらしたようで、メーカーズ・プレゼンテーションは内容が面白かったんですけど、やっぱり聞いてくれてる人が少なかったのがちょっと残念でした。しかしやる意味はすごくあったなと。“UL”ってともすればちょっとファッショナブルなものとして捉えられていたり、道具って買って持っていればサマになるから『使いこなせるかどうか』って言うのはまたその次の問題だったりしますよね。
でもやっぱり作り手はいろんな事を考えていて、各メーカーさんの時間は短かったけれどブースで販売しているだけでは伝わらないことが語られたと思います。

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懇親会も同じく、あれ、こんなもん?っていう感じでした。とはいえ、会場だった食堂は満タンでしたけどね。みんな来ていたらどうなったでしょうね(笑)。
坊ガツルのキャンプ場も、それほど混雑している感じではなかったですね。

迫り来る台風に対して、臨機応変にやらなければいけない状況で、とりあえず無事に開催できたのは、参加者、関係者のみなさんの協力と理解によるものでした。」

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最後に

「『前回は“UL”』『今回は“ローカル”』ではなく、前回の積み上げがあって今回になっていて、これらは一繋がりだと思っています。ハッピーハイカーズとして3年続けてきた中でだんだんカタチになってきたなと感じていますし、これからもマイペースかつ面白いものを考えていけたらいいなと。
今回もギャザリングでちょっとした知り合いが増えていくというのは良いことだなとあらためて思いました。みんなで何かを共有しているという意識は強かったと思います。」

テキスト/内田タケハル 写真/石川博己・松岡朱香・渡邉祐介・馬場祐吏

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