Echoes

連載僕は山を走り始めた

50歳を目前にランニングに目覚めた
おっさんの日々のあれこれ。

6応援って素晴らしい

image 猫にバックル。

UTMFはもうどうでも良くなった。

2019年より始めたこのコラム「僕は山を走り始めた」は僕がランニングを始めてから、マラソンを完走しトレランを始め、そしてランニング人生最大の挑戦、100マイルレース「UTMF」にチャレンジするまでの軌跡を追うものであったが、そのレースはコロナのため中止になり、翌年も中止、そのまた翌年は別の100マイルで完走してしまい、あっさりと本来の目的は完了してしまった。
富士山の周りを駆ける100マイルレース「UTMF」に壮大なロマンを感じていたが、今年3月にそれよりさらに長くキツいレース「球磨川リバイバルトレイル」を完走してしまったし、さらに10月には球磨川よりキツいレース「LAKE BIWA 100」という100マイルレースも完走してしまった。やばい、もうUTMFにちっともロマンを感じない・・。キャッチコピー「50歳を目前にランニングに目覚め、富士山160kmのレースに挑戦するまでの記録。」の「〜挑戦するまでの記録」だと、いつになるかわからないし、正直、コロナ禍で更新していない2年間でもう僕の走力も気持ちもかなり変わってしまって、いまさら細かく振り返る気もしない。

UTMF|富士山の周辺をめぐる100マイルレース。
総距離 : 165km・累積標高 : 7,574mD+・制限時間 : 44時間(2023年度概要より)
https://www.ultratrailmtfuji.com

球磨川リバイバルトレイル|九州熊本で行われた100マイルレース。
総距離 : 172km・累積標高 : 9,400mD+・制限時間 : 42時間
https://tracksession.org/krt/

LAKEBIWA100|琵琶湖の周りをめぐる100マイルレース。
総距離 : 169km・累積標高 : 10,500mD+・制限時間 : 45時間
https://lakebiwa100.com

image ラン友達のバーチーと。初日からあいにくの雨模様。
image 最初の43kmで累積標高4,000オーバーという厳しさ。
image 大文字山から京都の街並みが見える。
image ゴールは琵琶湖。飛び込む人もいたけど、けっこう冷たくって俺には無理。
image 相変わらず緻密な計画をたてる。

キャッチコピー変更。

さて、このコラムどうしたもんかな・・。
UTMFのエントリー権はまだ持ち越しているので、2023年4月にエントリーできるが、来年は他のレースに出たいのでこれは辞退しようと思っている。それに、球磨川、LAKE BIWAを完走してそれより強度の低いUTMFはいつでもできるなと思った。
僕の年齢は55になった。これからは年々パフォーマンスは落ちていくだろう。ならば早いうちに強度の高いレースに出ておこうと思う。今しか完走できそうにないレースを優先してUTMFはまだ先の自分にとっておこう。キャッチコピーを残すとそれまで続けないといけないし、それは嫌だw。なので、変えることにしよう。

新キャッチコピー
「50歳を目前にランニングに目覚めたおっさんの日々のあれこれ。」

うわぁ〜、、めっちゃどうでもいいキャッチコピーwww
なんでも書けるw どう書いても許されるw いいんかな。。これでw
(もしこれじゃなかったら編集長豊嶋チェックで変更になったということw)

ということで、今回から少し肩の力を抜いて書こうと思う。ランニングも肩の力が抜けてる方がいいしね。

さて、僕は近くの歯科医院さんに通っている。(もういきなり緩いし・・笑)
その歯科医院さんの先生がトレランを始めたようで、僕が治療に行くとしばらく質問攻めに合う。
「アルトラのローンピークって・・」
「ティートンの〇〇はどんな感じですか?」
「ザックは・・」
個室で歯科衛生士さんが待機している横で先生はしばらく話している。
おそらく治療している時間よりも長いw
でも、そんな先生が微笑ましいようで、先生が退室されると「先生は石川さんが来るのを楽しみにしてますよ」と言ってくれる。
つい先日はLAKE BIWA100の完走祝いまでいただいた。

image 歯科医院さんらしい完走祝いをいただいた。そういえば100マイルレースの時はハブラシを持つ人が多い。ジェルばかり飲んでると口の中が気持ち悪くなるのと、眠気が来たきとに歯磨きするといいらしい。僕も今回LAKE BIWAでは携帯した。

僕のこのコラムを見てメッセージをくれた方もいる。45歳までまったく運動をしておらず不摂生で体重増加(だいたいみんなそう)によりランニングを始めたとのこと。僕のホーム、飯盛山にも来てくれて声をかけてくれた。コラムを読んでまだ遅くないと思ってくれたようだ。

お二人ともにアラフィフで最近ランニングを始めたらしい。そんなアラフィフの方たちにとって、48から始めた僕の存在は励みになるようで、今からでも遅くないと勇気づけられているとのこと。それは嬉しい、ただ好きに走って楽しんでいるだけの自分の存在が誰かの励みになるなら、このコラムも捨てたもんじゃない。そんな人たちたちのために、おっさんの日々のあれこれは役に立つかもしれないので、そんな感じで続けて行くとしよう。

image K先生とインスタでメッセージをくれたKさん(プロフみたらすごい建築家だった)が僕らがやっているイベント「OHORI100」に来てくれた。ちなみにOHORI100とは大濠公園を100キロ(50周)走ろうというイベント。

〝励みになる〟つながりで、ひとつのイベントをご紹介したい。

「タッタチャレンジ100K」というイベント。

応援されると力が出ますよね。マラソンでも、あーもうだめだと思っても沿道で知り合いが声をかけてくれるとぐわっと力が湧き上がります。応援ってすごいパワーです!
このイベント「タッタチャレンジ100K」は熊本市立田山をフィールドに、地元のランナーグループ「トレランボーイズ」が、気軽に参加できるトレランの入り口として行っている。これはレースではなく自分の目標(このイベントでは50kmと100kmの2つの目標設定がある)を決めて、それに向かって挑戦する「挑戦会」だ。
立田山(自然公園のような山で傾斜はあまりなく走りやすい)の林道を約10kmの周回コースを設定し、50kmチャレンジは5周、100kmチャレンジは10周まわるというもの。(今回はコース上にスズメバチが出たため9kmちょっとに短縮し、50kmは6周・100kmは11周となった)一周ごとに戻ってきて、参加者全員の名前が記載されているボードの自分の欄に、周回クリアの「○」をつけていく。ここには自分の荷物も置けるので、着替えたり、持ってきたものを食べたりもできる。エイドではドリンクはもちろん、カレーやホットドック、お菓子など公式レース並み(それ以上かも)に充実している。
この挑戦会の素晴らしいところは、主催しているトレランボーイズの方たちの熱い〝応援〟である。
一周ごとに「ナイスチャレンジ!」「ナイスラン!」「まだまだいける!」と熱い声援が選手一人ひとりに注がれる。応援のシャワーだ!
もうやめようとしているチャレンジャーに「ここで諦めていいん?」と問いかける。
「まだいけるやろ!」と後押しされ、諦めかけてた心がまた起き上がる。

「行ってきます!」

僕は何度もそういう〝復活〟した人を見た。応援で生き返るんだよね。不思議。
このイベントの素晴らしいところ、もう一つ。
それは途中で諦めた人も完走者と同様に「チャレンジ証明書」という挑戦の証(距離と時間が記載されている)が、主宰者であるトレランボーイズの蓮田さんより授与される。すべてのチャレンジャーの挑戦を称えるというのも普通のレースではない試みだ。レースだとDNFするとなんとも居心地の悪い後ろめたい気持ちになる。そういう〝負〟の気持ちを抱かせない仕組みが素晴らしい。何キロだって挑戦したことは素晴らしいことなんだから、恥じることはない。それを参加者たち全員で祝福するこのイベントは、レースにはない魅力があると感じた。

image ほんわりあったかい雰囲気の会場。まるでフェスのようだ。
image スタート・ゴールゲートもレース並みにしっかりしている。
image 参加者全員の名前と挑戦する距離(50km・100km)が記載されているボード。
image タッタストーンと呼ばれる〝ちょうどいい〟石の台の上に立って授与式が行われる。
image 嬉しそうなラン仲間のたいちゃん。
image INNER-FACT首藤さんお手製のチャナマサラ(ひよこ豆のカレー)。首藤さんの目つきw
image 翌日は参加者有志で会場となる立田山の清掃活動(クリーンタッタ)を。

タッタチャレンジシリーズ(Facebook)
https://www.facebook.com/groups/241501624543304/

tatta_trail_running(INSTAGRAM)
https://www.instagram.com/tatta_trail_running/

image 僕は2周でLAKE BIWAで痛めた足がうずきリタイヤ。

応援って楽しい。

あ、それと応援にまつわることがもうひとつあった。
10月に広島で「広島湾岸トレイルラン」という総距離108km・累積標高6,900mD+というトレランレースがあり、これに参加する友人ランナーたちを応援すべく同行した。
今年の7月に霧島えびのエクストリームでも応援同行し、応援って楽しいなと思っていたので、広島湾岸も力一杯応援してやろうとやる気満々で乗り込んだ。コース上の併走は選手が失格になるとのことで、逆走して応援することに。
このコースは広島市街を囲む周辺の山々をつなぐラウンドコースになっていて、各エイドへは車でアクセスしやすい。当日はレンタカーで選手たちが通るであろう時間帯に、各エイドからカウベルを鳴らしながら逆走して応援をした。みんな疲れているのに「ありがとうございます」と返してくれて嬉しかったなあ。頑張っている選手たちを見ると、こっちまで元気になってくるんだよね。
この日は翌朝まで各エイド間を走った。気がついたら40km近く走っていた。ちょっとしたレースだよね。楽しかった。
こういう関わり方もあるんだなと思った。レースに出なくても、楽しい走り方はいくつもできるんだよね。

image 広島湾岸トレイルラン(2022年9月24日(土)〜25日(日))
総距離 : 108km・累積標高 : 6,900mD+・制限時間 : 34時間
https://wangantrailrun.com
image 市街に何度も降りるので応援する箇所も多い。
image 山から見える夜景がきれいだった。
image なんやそのドヤ顔は。
image りょうちゃん、がんばれ〜!!!
image 広島といえばお好み焼きだよね。行くところ全部美味しかった。
image かろくんとも会えた。ちっさ。

最後に、最近僕は「7trailsラジオ練」というポッドキャストを始めた。ランニングにまつわるローカルな内容で、今回紹介したこれらのことが配信されているので、時間があれば聴いて欲しい。

Spotify(その他のプラットフォームでは「7trailsラジオ練」で検索してください)

〜タッタチャレンジ100Kのこと〜
epi20 「まだいける!」と周回をやめさせてくれない熊本の草イベント「タッタチャレンジ100K」の全貌。
https://open.spotify.com/episode/0Ey6MBY6hPuqYomrAxWP0V?si=3848e4b1a7764a51

〜Lake Biwa 100のこと〜
epi17 Lake Biwa 100 part.1 イシカワ・バーチー編
https://open.spotify.com/episode/4Ms9ge38c8hpf330ljQi2w?si=af425b53c5364be0

〜広島湾岸トレイルランのこと〜
epi13 カズヤは広島湾岸トレイルを完走できたのか。
https://open.spotify.com/episode/4pXyjxZHC2xVK5hHXgKKeS?si=8c8f61d0e6594ac7

ちなみに編集長豊嶋氏との回もあるw
epi7 happyhikers豊嶋さんの「自由に生きるために僕がしていること」。
https://open.spotify.com/episode/7ghw39sUIsE2jElaPiV7gQ?si=534838f2675b4d99

という感じで今回のコラムはこのへんで。
またお会いしましょう〜。

image やっぱ山がいいね。

2022年10月・最近のレース結果

image

人間終了のバーチーと俺。

Lake Biwa 100
2022年10月8日(土)~9日(日)
総距離 : 169km・累積標高 : 10,500mD+・制限時間 : 52時間

滋賀県琵琶湖周辺の山々をつなぐ100マイルレースだが、これがなかなかキツかった(汗)。距離はもちろんだが、累積標高が1万超えとハンパない。1万て言ったら1ヶ月で登る累積だよ。それをたった2日でやるんだから、そりゃきついよね。42時間半を目標に挑んだが結果は43時間4分かかった。最後に大ロストしてしまい40分近くロスしたから、まあ予定通りってことで。もう来年はないと思ってたけど、記憶が修正され来年もやるかという気になっている。怖いね〜。

テキスト・写真/石川博己

プロフィール

image台風の中でも山に走りに行くよw

石川博己 HAPPY HIKERS 事務局メンバー。本職の持ち出しでデザインや写真を担当w。本コラムでも書いているきっかけで48歳よりランニングに目覚める。2022年に熊本で開催された100マイルレース「球磨川リバイバルトレイル」にて悲願の100マイルレースを完走。ちまたでマイラーと呼ばれるw

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