Web Magazine for Kyushu Hikers Community
ハイク初心者に贈る、はちゃめちゃ山&散財記録。
買うなら登れ、まずは減価償却!
会う人、会う人に「最近、山ばっかり行ってるよねー」と言われる。月1〜2ペースなのでハッピーハイカーズの皆さんからすると「普通やん」だろうが、自分史上最高頻度で山に行っているのはたしかだ。
1に減価償却、2にキャンプ力向上、3に全力で楽しめ!をミッション……いや、遊びほうけるための大義名分のもと、くじゅうをはじめ近隣の山々に出かけている。
学問なき経験は、経験なき学問に勝る。そう、何事もやってみるのが手っ取り早い。悪戦苦闘していたテント設営も一人でできるようになり、やたらと重たかった荷物もずいぶん軽くなり、回を増すごとに「一人前感」がでてくるではないか。
調子をつかんでくることは、それすなわち、調子に乗ってくることを意味する。今よりラクに登るにはどうしたらいいか、今より気持ち良く山時間を過ごすにはどうしたらいいか……“快適さの追求”という名の物欲が芽生えてくる。
買わなきゃ!
「持っているものでより良く」が基本であり、理想であることは重々わかっている。しかし、テン場をぐるりと見渡せば、「あのギア、良さそう」「おっ、新商品だね」など、私にとってこの上ないショールームなのだ。
買うのには、理由がある。たとえ、後付けの言い訳であったにせよ。私なりに快適さや豊かさを追求したガジェットをご紹介しよう。
<買ったもの①>
<購入の理由>
「10kg〜の荷物を背負って歩くのが辛い」
当初、背に腹はかえられないと、10年前に富士登山用に買った安物のストックを使っていた。もちろん、ないよりあったほうがいいが、とにかくダサくて心が沈む。それではいかん! 吟味の結果、こちらを導入。ひとサイズ小さいものが良かったけれど、好みに合わないカラーがどうしてもイヤで、最新モデルのこちらを選択。長すぎるかもと心配だったが、上下パパッと握り替え可能なグリップのおかげで、上り下りともに疲労が激減した。まぁ、抜けにくいはずの先ゴムが一瞬でなくなったり、油断して足を捻ったり、まだまだ使いこなせていない感はあるけれど、「タープポールにもなるよな」などと野望(散財)は広がるばかりである。
<買ったもの②>
<購入の理由>
「外ご飯中やテントの中が暗い」
山には当然電灯はない。走行時の明かり取りはもちろん、万が一に備えてヘッデンは必携だ。それで事足りるが、充電の心配もあるし、光量が強すぎる。なんといっても、風情に欠けるではないか。で、こちらを購入。重さ59gで軽量、太陽光で充電でき、コンパクトに収まる優れものだ。やさしい光がふわりと広がり、うん、いいじゃない。
ということで、この有様。ほぼ全員が持っている。坊ガツルの真ん中で光を放つ集団……怪しい新興宗教の儀式っぽいが、なかなかロマンチック。余談だが、ヘッデン代わりには使えない(まるで見えない)。
<買ったもの③>
<購入の理由>
「山飯を充実させたい」
速く走ったり、長く歩いたりできないぶん、私に何ができるだろうか……。考えた結果、なんちゃって料理ぐらいしか思いつかない。幸い坊ガツルには水場もあるし、山小屋もある。イワタニのクッカーは少々重たいし、調理しにくいってことで、山飯必須であるTrangiaのメスティンに加え、丸型コッヘルを投入。この2つがあれば、ずいぶん料理の効率があがる。エバニューのスタック式アルミボールも価格の割に使いやすい。調理グッズは素材や用途によって価格もピンキリ。いいに越したことはないが、10,000円で収まるぐらいの初心者セットということでおすすめしたい。
会う人、会う人に「最近、山ばっかり行ってるよねー」の次にくる言葉は、決まって「私も(僕も)山に行きたいなー」だ。コロナ禍でアウトドア人口が増えたというが、実行に移す人は一握りだろう。一言にアウトドアといえどもジャンルは多岐にわたり、それごとにガジェットも違うため、「何を買ったらいいのか分からない」と足踏みしている人も多いのではないだろうか。
アウトドアグッズ全般、しかもUL(ウルトラライト)スタイルを極め出すと予算は天井なしだ。潤沢な軍資金があれば別だが、限られた予算内でいかに良いものを見つけるか……買い物心に火が付くというもの。とはいえ、命に関わるものだから、安かろう悪かろうではダメ。また、とりあえず買うと、必ずといっていいほど後で買い換える羽目になる。清水の舞台から飛び降りすぎて麻痺した感はあるが、腹を決めてエイヤと買うこと。流行の洋服やコスメに比べると、はるかにコストパフォーマンスは良いわけだから。
私が購入したものが正解ではないと思うが、価格(高からず安からず)、性能(軽さ、耐久性)、ファッション性を備えた、そこそこいいものをそろえたつもりだ。「山に行きたいな〜」と思っている方の参考になれば本望である。いやいや、私の記事なんかより、ハッピーハイカーズのメンバーさんの投稿は本当にためになるので必読だ。突き詰めていく感じも、醍醐味のひとつである。
ということで、初心者のみなさんの道しるべ、道具しるべになる、という新たなミッションのもと、山に登り、ガジェットを追求せねばと一人勝手に使命感に燃えるのであった。買うぞー!
<買ったもの>
SINANO/フォールダーTWIST 125(¥21,450)
CARRY THE SUN/ランタン(¥2,860)
Trangia/1.0ℓビリーコッヘル(¥2,640)
EVERNEW/アルミボールセット(¥2,090)
合計・・・¥29,040
総合計金額・・・¥246,372 ※2020/10現在。あくまで目安金額です
<登った山>
0_油山 ※キャンプ場まで(福岡)ノーカウント
1_くじゅう(大分)
2_背振山(佐賀)
3_雷山・井原山(福岡)
4_くじゅう(大分)
5_赤村(福岡)
6_古処山(福岡)
7_くじゅう(大分)
8_くじゅう(大分)
<本日のコスト> ※合計金額÷登山回数として換算
登山1回あたり・・・・¥30,796
◆ 独り言:高級旅館一泊分ぐらい、か。キャンプグッズもGOTO割対応にしてほしいよ。
テキスト・写真/古川カナエ
プロフィール
古川カナエ
2009年、乳がんが発覚。「このままヘタってなるものか」と景気づけに富士山に挑戦。そのまま登山にハマるかと思いきや、勢いあまってランニング&トレイル方面へ。買い物大好きインドア派、果たして素敵ハイカーへと登りつめることができるのか!? ハイク初心者に贈る、はちゃめちゃ山&散財記録。
フリーライターたまにアクセサリー作家。お酒と猫とカレーが好き。