Web Magazine for Kyushu Hikers Community
ハイク初心者に贈る、はちゃめちゃ山&散財記録。
買うなら登れ、まずは減価償却!
とにかく、書く気がおこらない。
「きっと更年期だわ」と伝家の宝刀フレーズに甘えていたけれど、書かないことには1mmも状況は進まないわけで……。そんな折、あるレース会場で「あの、いろいろ買い物する……コラムを書かれているカナさんですよね」とお声がけいただいた。「は、はい、、、ちゃんと書きます!!!」読んでいただき、名前まで覚えてくださり、お声までかけていただくなんて、恐縮を通り越して逃げ込みたくなった。うん、もう逃げない。書きますとも!
ザックも買った。ヘルメットも買った。こざこざしたものは端折るとして、高山登山に必要なもの……ウエア! 自他共に認める「着道楽」ゆえ、ここははずせない。機能性はもちろん、オシャレでなくちゃ。北アルプス=ハイカーの聖地。ダサい格好では北アルプスに失礼ばい!
「いかん、買わなきゃ!」
ちなみに、北アルプスの登山中、基本的にお風呂に入れないと思った方が良い。コースによっては白馬鑓温泉小屋、蓮華温泉ロッジなど温泉に入れたりもするが、私が計画するコースでは無理なようだ。3泊4日NO風呂……生まれてこのかた経験したことがない。しかも、連日登ったり下ったり発汗Max!「本当にお風呂に入らないで大丈夫なん」何でも来やがれ!のおばちゃんであることは認めるけれど、さすがに気にしますがな……。
「となると、ウエアはメリノウールだよね!」
頻繁に山に登られる方であれば「うん、やっぱりメリノだよ」とおっしゃるであろう、そう、天下のメリノウール様だ。オーストラリアやニュージーランドで飼育されているメリノ種という羊の毛のことで、優れた保温性と速乾性を兼ね備えた、羊毛の中で最も高級な一品……というもの。最近でこそ、カラーバリエーションやデザイン性の高いものも増えたけれど、それでも見た感じは地味だし、化繊のようなパキッとしたかっこよさはない。
おそらく大抵の人が「ああ、これがメリノね(手に取る)高っっっ!」のリアクションだったと思う。「なんてことない(地味な)Tシャツなのに、なんでこんな高いとや!」文句のひとつも言いたくなる満足度の低さったら……。私も既に一枚持っているのだが、誰にも見せたくないTHEインナー扱い。テンションあがらないったらない。
山道具のショップの方が「山用品が割高なのは、それによって安全性や快適性が向上するから。命を守る道具です」とおっしゃっていたのを思い出した。山を始めたばっかりだった私は、「おおげさだな~。セールストークでしょ~」と思い、購入しなかった(高くて見送った)。
オシャレ優先、速乾優先とばかりに、手頃なウエアに手を出していた。が、コットン100%のTシャツがビシャビシャになって風邪をひいたり、化繊インナーの雑菌臭にウグッとなったり、わかりやすく痛い目に遭った。何事も経験。「メリノだったら、こんなならんかったかも……」こうなると、もう頭の中は羊、羊、羊でいっぱいだ。買う、もう絶対買う!
今回買ったものはコチラ!
おい、こら!「4日間、着替えないでいいように」とメリノ素材のウエアにしたはずなのに、毎日着替えても余る枚数はおかしいだろう。その通り。実をいうと、アルプス後に買った物も3枚含まれている。ある意味、アルプスでその実力を知ったからこそ、かき立てられるように追加購入に走った次第。
話が前後してしまうが、メリノ製品を購入を考えてる方の参考になればということで。実際に使ってみて、どれが良かったのかレポート。あくまで私個人の意見なのであしからず。
「長袖がいい」
夏のアルプスに関していえば、標高があるため寒暖の差が激しい。上に何かを羽織るのであれば半袖でいいけれど、でっかいザックを背負い(背中が蒸れる)、直射日光をガシガシ浴びながら長時間行動するとなると、いくら高地で涼しいからといえ大量の汗をかく。脱ぎ着で時間をロスするのも面倒だ。よって、長袖を上げたり下げたりしながら調整した方が、行動中のストレスも軽減される。
気になる汗抜け問題だが、背中などはベチャベチャになるし、油断すると冷たくなるが、しばらくたつと……あれ、乾いてる? 山小屋で一晩ザックの上にでも置いておけば、翌朝はサラッと何事もなかったかのよう。クンクン……うそみたいに臭わない。汗っかきの相棒もそう言うのだから間違いない。よって私は2枚持っていき、1日交代でしのいだ。
ちなみに、上記で気に入っているのは、山と道の黄色(ウエアに合わせやすい)と、YETINAのロンT(品質がいい。糸目がよれず風合も○)だ。
<買ったもの>
山と道 プルオーバー ¥13,200 山と道 ポケット付半袖 ¥10,450 山と道 ジップロンT ¥15,400 HOUDINI フレンチスリーブT ¥9,900円 YETINA ロンT ¥12,980
合計・・・¥61,930
総合計金額・・・¥576,682 ※2021/9現在。あくまで目安金額です
<登った山>
0_油山 ※キャンプ場まで(福岡)ノーカウント 1_くじゅう(大分) 2_背振山(佐賀) 3_雷山・井原山(福岡) 4_くじゅう(大分) 5_赤村(福岡) 6_古処山(福岡) 7_くじゅう(大分) 8_くじゅう(大分) 9_阿蘇山(熊本) 10_皿倉山(北九州) 11_宮島(広島) 12_福智山(北九州) 13_阿蘇山(熊本) 14_宝満山(福岡) 15_宝満山(福岡) 16_英彦山(福岡) 17_可也山(福岡) 18_宝満山(福岡) 19_三日月・立花山(福岡) 20_糸島四座(福岡) 21_三日月・立花山(福岡) 22_犬ヶ岳(福岡) 22_鶴見岳(大分) 23_三日月・立花山(福岡) 24_三日月・立花山(福岡) 25_犬ヶ岳(福岡) 26_三日月・立花山(福岡) 27_太郎丸岳次郎丸岳(熊本) 28_くじゅう(大分) 29_湯川山(福岡) 30_霧島(鹿児島・大会) 31_杵島岳(熊本) 32_井原山(福岡) 33_くじゅう(大分) 34_三郡縦走(福岡) 35_立花山(福岡)
<本日のコスト> ※合計金額÷登山回数として換算
登山1回あたり・・・・¥16,476
◆ 独り言:着替えられない、汗臭いのいや……人は不安であればあるほど、それを打ち消したいあまりお金をつぎ込む。冷静になるとベースレイヤーに6万円って……どうかしている。
テキスト・写真/古川カナエ
プロフィール
古川カナエ
2009年、乳がんが発覚。「このままヘタってなるものか」と景気づけに富士山に挑戦。そのまま登山にハマるかと思いきや、勢いあまってランニング&トレイル方面へ。買い物大好きインドア派、果たして素敵ハイカーへと登りつめることができるのか!? ハイク初心者に贈る、はちゃめちゃ山&散財記録。
フリーライターたまにアクセサリー作家。お酒と猫とカレーが好き。