Echoes

連載僕のULモノローグ

ハイキングスタイルやギアのこと、
ウルトラライトハイキングにまつわる僕のつぶやき

2質素な食事を楽しもう

軽い食事≠軽食

十坊山から基山まで縦走しようとやってきた。でも、ザックには「燃料」も「火器」も入っていない。もちろん、忘れたわけではないw
今回は、ULハイキングにおける「食事」の話。 一日で長い行程を歩くときや幕営地を変更できない場合、もう日が暮れそうだ! など、ハイキング中に先 を急ぐ場面は多々あると思う。でも、食事もしないともちろん歩き続けることなんてできない。食事に時間をかけられない時にも、手早く簡単にできる方法はないものかと、歩きながらいつも僕はそう思う。

image ピンク色に染まる十坊山山頂より

朝一番に最初のピークである十坊山に立つ。 徐々に明ける空は快晴とも相まってとても美しく、そして山頂にドンっ!と鎮座する坊主岩も朝日でピンク色に染まってとても綺麗だった。530m程の低山で、福岡市内からもそう遠くない山の上にこんな場所が、と絶句してしまう光景。先は急ぐのだけどこんな素敵な景色をスマホに撮り漏らすわけにはいかないので坊主岩を何度も上ったり下りたりw

image 十坊山から浮嶽へ続く縦走路

次なる浮嶽山頂には麓にある浮嶽神社の上宮があり、そこからさらに次の女岳へ上る途中にはこれまた素晴らしい景観が望めた。ヒャッホウ!!

image 浮嶽から女岳への途中の縦走路

日も随分上ってきたころ女岳に着いた。おなかも減ってきたのでここで食事にしよう。 僕はお腹が空けばすぐに何かを食べる、我慢はしないタイプだ。長い時間を歩き続けるハイキングの中で、食事はとても重要な行動の一つだ。そして、その方法にもいろいろな選択肢がある。たくさん食料を持って行って宴会ハイキングを楽しむ場合もあるが、今回の縦走のように長く歩きたい場合は、極力軽い装備で行きたいところだ。「軽い」を無視して UL ハイキングの軽快さを失ってしまうのでは意味がない。 軽くしたけりゃ持っていくものを減らせばいいというUL的な思考からいくと、比較的簡単に手に入るもので以下のような順番で軽くすることができる。

  1. 最低限のガスや固形燃料、燃料用アルコールなどを用いて湯を沸かしラーメンやドライフーズを作る。
  2. おむすびやパンなど調理せずにそのまま食べられるものを持っていく。
  3. ナッツやエナジーバー、お菓子などの行動食で済ます。

これだけで、特に努力しなくてもかなりの軽量化を期待できる。ただし、「シャリバテ」でエネルギー切れを起こしていては意味がない。「軽いけど、ちゃんと食べ応えがあって、エネルギーにもなる」これを満たす食事というのが工夫のしどころだ。

image たのしいお食事タイム。写真に写ってるものが今回すべての食事

冒頭の、今回の縦走には「燃料」も「火器」も持ってこなかったという話はここにつながる。 先の1から3のリストに、「燃料と火器を必要としない、ハイキングでの質素で楽しい食事」という4番目の選択肢を加えたい。
ということで、今回の僕のレシピを記すとこんな感じだ。

<材料>
  • グラノーラ 軽く2、3握り
  • スキムミルク(ミロなどでもおいしいよ) 適量
  • 好みのドライフルーツなど 適量
  • 水 少量

<作り方>
上記の材料を蓋つきのコンテナに入れて蓋をしてシェイク。 完成!

質素な食事の楽しいまとめ

手軽な簡単なおすすめのレシピは、食べるのも早くて食事時間が大幅短縮! そしてクッカーもストーブも燃料も要らない。材料も軽いし、水も少量でおk。おまけにコスパも最高ですとw。
「質素な食事を楽しめる」ということはすなわち、ものすごい軽量化の恩恵を得れる、ということ。←さらっと言いましたが、ココ重要。
繰り返します「質素な食事でつまらない」ではなくて、「質素な食事を楽しめる」です。
ULハイキング実践者が重さを正確に知るために作成するギアリストのように、食事に関わる道具と材料についてもリストを作れば一目瞭然なので、ぜひやってみて実感していただきたい。 おいしさより軽さを優先する、「荷物の軽さ>おいしい食事」という式はいたってシンプルなことだけど、この考えって「シュラフの軽さ>暖かさ」 というように、UL 的な装備すべてに通じますよね。 もちろん、安全性は担保しなければいけないので、徐々に実験しながら。 数泊のハイクで、例えば火器を使うのであれば燃料の量、そして食料の量、水の量はパッキングするに上で一番頭を悩ますところですよね。その中で火器と燃料の重さが無くなるメリットは、ULハイキングにおいてかなり大きなポイントになるのです。
ということで、これからも質素を楽しむいろんなレシピを考えてULハイキングを楽しんでいきたいですね!

image その他、こういった材料を使ったレシピもありますYO

追記

今回は粉ミルクを水で溶かすレシピを紹介しましたが、他にも水で容易に戻せる極小パスタ「クスクス」に様々な固形スープを使うのも水だけを使うレシピとしてはかなりおすすめです、特にトマトスープなんかだと相性抜群! これってもはやULハイカーには定番化しているかな?
もちろん定番のアルファ米も水で戻すのにはありがたい食材なので(戻すのに少々時間を要しますが)これらにも味が単調にならないような工夫をしてみるのも楽しいと思います!

テキスト・写真/吉田亮太郎

プロフィール

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吉田亮太郎(よしだ・りょうたろう) インスタグラムでは「moss_hikes」の名前でULバックパッキングを全力模索中。
半分に切った歯ブラシ、背中の空いた寝袋、中途半端な長さのペラペラなマット。
すべて満たされてはないけれど、私は元気です。

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