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山で過ごす時間の速度は緩やかで、
1日が48時間分くらいあると思う。
さぁ、山を歩こう。
ふと、久々にソロ山旅しよう、と1週間前に決めた。1日目は、いつか登るだろうと思っていた普賢岳、2日目は九千部岳、3日目は黒髪山かなぁ、とぼんやり。ま、行き当たりばったりで楽しもう!
カーフェリーで熊本から雲仙へ渡り、車中泊しながら陸路で鹿児島へ戻る予定だ。
予約なしで船に乗れるのも気軽に行けて良いな。船に乗るだけで一気に旅感が高まる。カモメを眺めながら数十分、あっという間に山が見えてきた。たっぷりと雪を纏った白い山。前日、登山口までの有料道路が通行止めだったのも頷ける程。
島原港で朝ごはんに島原うどんを食べよう!と意気込むもお店は開いてなかった。無念。仕方なくコンビニで朝ごはん。気を取り直して山へ向かう。
登山口で、ロープウェイで登るルートにするかしばし悩む。うーん。。。折角雪が積もってるし歩く事に。雪を踏み締める音にテンションが上がる。高度を上げるにつれて、木々の霧氷が育つ様も見飽きない。青い空に白い山、美しい。先に進むにつれて雪が深くなる。所々、木々の隙間から白い普賢岳が見えるので、何度も足を止めて眺めてはため息。今日来て良かった!と何度思ったことか。
気分良く歩いていると、後ろから声を掛けられた。こんな所で?と振り向くと笑顔のMちゃん。2人とも驚きと喜びで笑顔が溢れる。それにしても、後ろ姿で認識してくれるなんて嬉しいなぁ。ひとしきり話したら、お互いソロなので一緒に普賢岳を目指す事に。山頂から絶景を堪能して、お昼ご飯を食べずに下山。寒かったからね。
Mちゃんに、この後の予定を聞いてみると九千部岳に登るとの事。私も2日目に登ろうと思っていたので、急遽一緒に登ろうと。駐車場で、2人ともそそくさとお昼ご飯を食べて九千部岳登山口へ。いざ登山口に着いてみると、山頂まで遠く感じた。ソロならさっさと温泉入りに行ったかも。いざ歩いてみると意外とあっという間に山頂に着いた。さっき登った山と、少し日が傾き、海に太陽の光が照らし出された光景と、麓の町が見渡せる。あぁ、良き!2人で感動を分かち合える幸せ。名残惜しいけれど、時間も時間なのでサクッと下山。
お目当ての温泉も同じで、私の今夜のプランをMちゃんに話すと、一緒に楽しみたい!と賛同してくれた。無料で温泉に入れる居酒屋(どういう事⁈)で、美味しいビールを飲みながら今後の予定を練る。よし、明日は虚空蔵山に決めた。翌日の予定はそれぞれなので、おやすみなさいと、また何処かの山で、と言葉を交わして就寝。
雲仙と言えば温泉。朝風呂はお目当ての「脇浜共同浴場」。なんと、ここで温泉から出てきたMちゃんに遭遇。今なら貸切ですよ!と嬉しい言葉。良い旅を〜、とそそくさと別れていざ入浴。素晴らしいっ!最高!また来たい。
ここから登山口まではGoogleマップ(行きたいお店にピンを立てまくっていた)を眺めてルート決定。美味しいスイーツやランチを食べつつ、ようやく登山口へ。
車は私一台。登山道はきちんと整備されていた。風が強かったので、細尾根は慎重に。山頂には数基の立派な祠が。そこからの景色は、海と空の境界線が朧げで浮遊感があった。何故か早く下山しなくては、と思い足早に下山。誰1人とも会わなかった。山の名前の呼び方を聞きたかったのにな。
下山後は、嬉野温泉へ。Mちゃんに教えてもらった温泉も、貸切でのんびり出来た。さ、温泉湯豆腐食べに行こう、と意気込むもかなりの待ち時間。観光客の多さに驚く。待ちわびた温泉湯豆腐はやっぱり美味しい。2軒目の居酒屋を探すのにも時間がかかった。何処も満席続きで、何とかカウンターに滑り込む。魚が美味しいお店で、佐賀の地酒が進む。店主と山の話になり、虚空蔵山の事を地元の人は「こくんぞう」と呼ぶ事を教えてもらった。みんなそう呼ぶよって。あぁ、楽しい。よし、3軒目へ行こう。barを発見。「GOTOJIN」でジントニックを。五島列島福江島を思い出しながらマスターと話す。その土地の人と話すのが好きだなぁ。と、思いつつ就寝。
朝から営業しているローカル感満載の食堂へ。ちゃんぽんをオーダー。出てきた緑茶がめちゃくちゃ美味しい!やはりお茶が名産なだけある。ごくごく飲み干し、何杯もおかわりした。運ばれたちゃんぽんを食べていたら、隣のテーブルで店主家族も朝ごはんを食べ始めた。まるで私まで家族のように自然と会話開始。何これ楽しい。旅って良いわぁ、としみじみ思った。最後に、「山を楽しんできてね!」と送り出してくれたのも嬉しかった。
黒髪山は様々なルートがあり、友人のH君から薦められた数あるルートの一つに決めた。黒曜石見つかるかなぁ、と淡い期待。岩峰も格好良くカッパドキアみたい。アスレチック感ある登山道もワクワクで、あっという間に山頂に辿り着く。あの有田焼の陶板地図は美しかった。1番眺めの良い場所にいた先客と、お茶を楽しみつつ山の話。別れの言葉は、お決まりの「また、何処かの山で会いましょう!」
3日間の山旅の締めくくりのご飯は「ドライブイン鳥」。最初の予定より1つ多くの山に行けたのも、気になるお店やご飯、温泉にありつけたのも、人との出会いがあったのも、行き当たりばったりのお陰。これだから止められない、よね。
数年振りにカタクリの花を見に。青空に映える花弁、雄蕊の色。花の可憐さに反して、葉が少しグロテスクに感じるのは私だけだろうか。
京丈山の先にある展望台のようなエリアへ。九州脊梁の山々を見渡せて気分爽快。こんなに素敵な場所だったっけ。
雁俣山はヒカゲツツジが満開で、見応え充分。カタクリの群生地は、以前より花が少なく感じた。張り巡らされた立ち入り禁止のロープが物語っている。
下山後、「東山本店」で揚げたてあっつあつの芋天を頬張る。もれなく火傷してでも食べたいやつ。あの芋天のサイズは世界一だと思う。
Yさん提案の山へ。教えてもらうまで全く知らなかった山。登ってみると麓の街がジオラマのように見えた。途中、見知らぬ地元の方から声を掛けられる。お願いしてもいないのに、当たり前のようにヤマユリの場所を一つ一つ案内してくれた。後1週間したら丁度見頃らしい。元々ヤマユリ目当てではなかったので、少し花が開いた状態でも見れて嬉しかった。
山で会う方々は、みなさん地元の方。眺めの良い場所で、宮崎弁を聞きながら食べるご飯が美味しかった。
下山後、行きたかった日向岬にも行けて大満足。やっぱり、柱状節理好き。
鹿児島市内からだとなかなか遠い大隅半島の南へ。あわよくば、なんとかアケボノツツジ見たいぞ!
GWとは思えない静けさ。出会った人は1人。様々な花が咲いているので、自然と立ち止まる回数も多くなる。植物博士から、肝属山地にはまだまだ新種の植物が沢山あるよ、と聞いていた。何気なく見ている植物も、もしかしたら新種なのかもしれない。夢があるなぁ。
アケボノツツジを諦められない私は、黒尊岳方面へ。やっぱり花は終わっていた。ですよね。残念な気持ちを引きずりつつ甫与志岳の山頂に到着。ぐるっと眺めが良くて、あっという間に上機嫌。遠くに真っ白な砂浜が見える。岸良海岸だ。この後行ってみよう。
なんとしてでもアケボノツツジを愛でたい。その一心で山を登る。雨が降る前に。
御岳はいつも通りの暴風。目指すはアケボノツツジ。登山道沿いには、ツクシコウモリソウの群生が続く。しっとりとした緑の葉が美しい。
肝心のアケボノツツジは9.9割終わっていた。地面に落ちた沢山のピンクの花弁。手が届かない高さの枝に、辛うじて一輪咲いていた。
登山口までが相変わらず遠いまま。それにもかかわらず、駐車場は賑わっていた。
序盤の急登を乗り越えればそこは天国。時雨岳周辺はヤマシャクヤクが群生しており、中でもピンク色のヤマシャクヤクが一際目立つ。ひらひらとした花弁の縁、パキッとしたピンク、抱え咲きなのも愛らしい。横から見ると可憐な花だが、真正面から見ると中心部がちょっと、ね。毒草らしさがあるというか。
時雨岳から白鳥山へ向かう縦走路は最高過ぎる。九州脊梁といえばこの感じ。ずんずん進んでバイケイソウに囲まれた木陰でお昼ご飯。気持ち良くてこのまま寝てしまいたい。
先へ進むと、なんとSさんグループに遭遇。以前、九州脊梁の山で偶然出会った事を思い出す。不思議と人気のない場所でよく会うなぁ。お互い良い日に登れた事を喜びあう。
別れた後、白鳥山の山頂から下る途中、木にくっつく黒いビニールのようなものに包まれた大きな物体が目に入った。あまりのインパクトに驚く。遠くに見えたのと、何だか少し怖くて近付くのはやめた。気になる。誰か何か知ってるのかな。
下山後、ハイジ気分になれる大きなブランコを思いっきり漕いだ。
6月は何処を歩こう。
テキスト・写真/may
プロフィール
may
あっという間に山の虜。気付けばほぼ毎週末山にいるような。ホームマウンテンは霧島連山。屋久島は通い続けて13回。九州脊梁好き。時々鉱物活動。鹿児島在住。
instagram | may.yamay