One Day

今年も仲間の間で春の恒例行事となっている通称「ニセコオートルート」と呼ばれるニセコ連峰の縦走路を行くスキーツアーの季節がやってきた。このツアーをやるようになってから今回で早くも９年目となる。
ルート、スタートとゴールの設定などは年ごとによって変えている。おかげで、13座ほどあるニセコ連峰の山々とそれぞれの斜面とも随分親しくなれた気がする。メンバーもみんなの都合もあって、少し入れ替わりがある。もちろん、天候や気温、その冬の積雪量や融雪の具合などによる雪質の違いもある。ルート、コンディション、メンバーという三つの要素によるというわけだ。
結果として、飽きることなく毎年違うツアーになってきた。そして、当たり前だが９年分僕たちも歳をとった。その上で、９年間、一度も欠かすことなく続けてこられたのは幸運であったと思う。いろんな理由で、もうやめてしまっていたり、できない年があった可能性はいくらでもあったはずなのに、「これやらないとシーズンが終わらないね」と言って、なんだかんだと繋いできた。

「なぜ山に登るのか？」と尋ねられ、ジョージ・マロリーは「そこに山があるから」と答えたと言われる。僕たちが同じ質問を受けたならば、きっと「ここに仲間がいるから」と答えるだろう。
僕たちの「ニセコオートルート」は、そんな青春チックなものなんだなと、テント場で酔っ払って「みんなに感謝している」と涙をこぼす仲間に気恥ずかしくもそう思った。

さあ、来年は10周年。どんな旅になるのだろうかと今から楽しみだ。