Web Magazine for Kyushu Hikers Community
北海道に居場所を構え、そこに住むようになった今シーズンは、初めてのことが多くて生活に時間を取られがちだった。振り返ってみると、例年の半分滑れたかどうかというくらいにしかならなかったように思う。
雪が降り始める前にやっておかないことを駆け込んで片付けると、慣れない除雪の日々が始まった。2月になるくらいには除雪にも少しは慣れた気分でいたが、3月からの春の雪には翻弄された。厳冬期の西風が北風と南風が交互にやってくるように移ると、雪の質と吹き溜まり方が変わって除雪がこれでもかというくらいに厄介なものになった。そうこうしているうちに、早い雪解けにともなって、薪の調達も早くから始まることになり、スキー場の営業の終わりになるまでの数週間はすっかり薪仕事で過ごすことになった。
そして、僕の今年のスキーはそのままフェードアウトになるのかなと思っていたら、友人からのメッセージが届いた。「いやいや、そんなこと言わずにケジメつましょう!」そうやって僕を引っ張り出してくれたおかげで、例年と同じようにニセコ連峰でも最後まで雪が残る目国内岳で滑り納めることができた。
滑走日数は少なかったが、思い残すことなく、すっきりとした気持ちで道具を片付けることができて幸せなシーズンになった。仲間に感謝!
テキスト・写真/豊嶋秀樹