Web Magazine for Kyushu Hikers Community
17年ぶりのインドネシアだ。
前回は、アートの仕事で1ヶ月ほどジョグジャカルタに滞在した。
インドネシアと日本の国交樹立50周年の記念事業の一つとしての展覧会を企画するという大義を仰せつかり、奮闘したことが懐かしい。
今回は、友人に誘われてのサーフトリップということで、プレッシャーもなくのんびりと過ごしている。サーファーには知られたインド洋に面する西ジャワの小さな村の、サーフポイントまで歩いて数分という場所にある宿が拠点だ。
サーフィン以外に取り立ててやるべきこともないので、退屈しのぎに辺りを散歩するのがことのほか気持ちよかった。
ご存知のとおりインドネシアはイスラム教徒が大半の国だ。一日5回(宗派によって異なるらしいが)礼拝する。礼拝時間を知らせるために周辺のモスクからアザーンと呼ばれるお祈りがスピーカーから流される。イスラム教のことを知らない僕にとっては、それは不思議な歌のように聞こえる。。
水の貼られた田んぼの畦道を散歩しているときにアザーンが始まると、なんとも言えない穏やかな雰囲気に包まれる。意味はわからなくても、そのお祈りが優しい気持ちに満ちていることが伝わってくる。。
大人も子供も、すれ違うインドネシアの人々の笑顔は、信じるものがあるという自信と正しく生きることの気持ち良さからくるものなのかなと、沈む夕日を眺めながら思った。
テキスト・写真/豊嶋秀樹