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Happy Hikers BAR Vol.21

date/2019_06_28 fri

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やや久しぶりのハッピーハイカーズバーはいつものトレネさんで。今回のトークは2組で、今年の3月から福岡市でランニングプロショップに勤務されている中平渓さんと、写真家でサイクリストである丹野篤史さんにお願いしました。

お一人目のBar Talkは中平渓さんの「長期縦走のココロエ」です。子供の頃から登山や釣り、キャンプなどを楽しむご家庭で育ち、釣りはまさに渓流釣りをされるとのこと。身近にいる人たちから影響を受けながらウォーキングやランニングにも関心を持つようになり、もともと好きだった自然の中での行動に繋がっていく。その先にファストパッキングやトレランがありハマっていく。今回のバーの参加者の中にもその流れを共感できる方が多いのではないかと思います。

ご家族の怪我に際してのケアを通じて「歩行」そのものに関心を深めるようになったというエピソードも。スライドでは甲斐駒ヶ岳の二本剣、剣岳の写真に合わせて山行の紹介なども。その内容はかなりストイックなものに感じられましたが、中平さんは「こうしなければならない、ということではないんです」と続ける。その上で「今の自身の取り組みとして、山での山岳技術を測る、長期縦走のためのギアからのアプローチ、荷物の徹底的な軽量化、を目指している」ということでした。
そのような取り組みもTJAR(トランスジャパンアルプスレース)のためとのこと。TJARについては以前に当ウェブマガジンでご紹介した福原正夫さんの回でも触れていますが、参加基準の厳しいレースなので、ストイックになるよりないのでしょう。

また行動食のタイミングのコツや高山病の対策についてのことなど、通常のハイクに反映できるようなお話もあり、この続きを聞きたいと思えるようなトークでした。

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続いては丹野篤史さんのトーク「写真と自転車と音楽」です。丹野さんはDJをされているということで、90年代にレイブのような野外イベントに参加していくうちにアウトドア関連に親しむようになっていったそうです。そうして自身の音楽活動を続けていく中で次第に「自然界の音」に関心が及ぶようになり、フィールドレコーディングをするようになる。そして移動手段としての自転車の魅力にも目覚めていったということで、いくつかのジャンルが繋がっていく構図は先ほどの中平さんと同じなのだな、と聞きながら思っていました。自転車であれば自然の中で余計な音を出すこともないしローインパクトでもあるな、とも。

丹野さんはそこからさらに写真というジャンルも組み合わせるようになります。ストラップを利用してデジカメを握ったままロードバイクで移動するというスタイルで、ファインダーも覗かないまま撮ることも。2泊3日のツーリングの紹介では、初日に福岡市〜日田〜南阿蘇、2日目は南阿蘇〜椎葉〜五ヶ瀬〜南阿蘇、最終日は初日のアレンジで福岡市に戻る、という行程の途中で撮影した写真の数々を動画にまとめて見せていただきました。自然の中をロードバイクで進みながら眺める景色、その変わっていく様を音楽ジャンルに例えるところは素敵な感性だなと思えます。

また、トークの終盤での豊嶋さんとのやりとりの中で「『写真』『音楽』『自転車』に共通するものは何か?」という質問に対しての答えも興味深いものでした。「写真を撮ることも、DJで音楽をかけることも、膨大なものの中から何かを選択して出していく作業。そして、テクノで踊り続けることも、自転車で遠くまで走っていくのも、要するにどちらも『気持ちいい』ということだと思います。」という説明に腑に落ちる感じを覚えました。

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北部九州は記録的な梅雨入りの遅さとなり、入梅直後のこの日は夕方くらいから軽く雨が降っていましたが、バーが終わる22時過ぎにはすっかり上がっていました。参加者の方も天候に合わせるかのように徐々に増えていき、トークが始まる頃には普段の賑わいになっていましたね。
次回はまだ未定ですが、決まり次第Facebookページなどでお知らせしますので、お楽しみに。

テキスト/内田タケハル 写真/ヤマサキナミ

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